この記事を読んでいるあなたは、
- サイディングの外壁の補修方法についてを知りたい
- サイディングの外壁の補修費用についてを知りたい
- サイディングの外壁の補修が必要かどうかの確認方法についてを知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「サイディングの外壁の補修方法や費用、外壁の状態確認方法」などをお伝えしていきます。
サイディングの補修方法・相場費用
工場でパネル状に成形して製造される不燃性の外壁材をサイディングと呼びます。
デザイン性や施工性に優れており、国内の外壁材の中で8割以上のシェアを占めています。
サイディングはその材質により、セメントを主原料とする「窯業系サイディング」、薄い鋼板を使用した「金属系サイディング」、杉板など天然木を使用した「木質系サイディング」、塩化ビニル樹脂を主原料とする「樹脂系サイディング」の4種類に区分されます。
サイディングは紫外線や太陽熱、風雨から建物を守る役割を果たしていますが、経年と共に表面の塗膜が劣化し始めます。
劣化をそのまま放置すれば剥がれや剥離、ひび割れなどを引き起こし、それらの隙間から雨水が内部に浸入しやすくなり、雨漏りや内部構造の腐食などに繋がるおそれが高まります。
そうならないためにも、サイディングの劣化状況により適切な補修メンテナンスを施すことが不可欠です。
ここでは、一般的なサイディングの補修方法と費用相場について紹介いたします。
部分補修
部分的にサイディングに穴や欠け、凹み、ひび割れが発生している場合、パテなどの補修材やシーリング材で欠損部や破損部を埋めて補修できるケースがあります。
以下はサイディングの部分補修に掛かる費用相場の内訳です。
項目 | 費用相場 |
穴・欠け・凹み補修 | 10,000~60,000円/箇所 |
ひび割れ補修 | 10,000~100,000円/箇所 |
ただし、補修範囲が広範囲に及んでしまったり、劣化の進行により内部下地にまで影響が出てしまっていると、部分補修ではなく張り替えによる補修の方が適切なケースがあります。
外壁塗装
外壁塗装による補修費用は、塗装する外壁面積と塗料の種類により変動します。
また、施工する業者によっても費用は異なります。
以下はサイディングの塗装に掛かる費用相場の内訳です。
項目 費用相場
足場代 | 600~1,000円/㎡(架け面積) |
飛散養生 | 150~300円/㎡(架け面積) |
高圧洗浄 | 100~300円/㎡ |
養生費 | 200~400円/㎡ |
下地調整 | 300~1,000円/㎡ |
塗装代アクリル塗料(耐用年数:5~8年) | 1,000~1,800円/㎡ |
塗装代ウレタン塗料(耐用年数:7~10年) | 1,500~2,500円/㎡ |
塗装代シリコン塗料(耐用年数:10~15年) | 1,800~3,500円/㎡ |
塗装代フッ素塗料フッ素塗料(耐用年数:15~20年) | 3,000~5,000円/㎡ |
塗装代無機塗料(耐用年数:15~25年) | 4,000~5,500円/㎡ |
* 塗装代の費用相場は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りを行う場合
一般的に、安価な塗料は耐用年数が短く、高価な塗料になるほど耐用年数は長くなります。
ただし、耐用年数は立地環境や自然環境により変動するので、あくまで目安として塗料選びをするようにしましょう。
部分的な張り替え
サイディングを部分的に張り替える費用は、サイディングの種類や施工面積によって異なりますが、1枚程度の張り替えで約5万円です。
張り替える枚数が多くなるほど、1㎡あたり3,500〜9,000円程加算されていきます。
また、1階部分の張り替えであれば足場は不要となるケースがほとんどですが、2階以上の部分を張り替える場合は足場費用が10万〜20万円程プラスとなります。
カバー工法・張り替え
カバー工法とは、既存外壁の上に新しい外壁材を重ね張りするリフォーム方法です。
カバー工法の費用相場は1㎡あたり9,000〜13,000円程です。
一般的には、既存外壁材と新設のサイディングとの間に通気層を設ける「外壁通気工法」が採用されており、新設外壁材を固定し既存外壁材との通気層を作る「胴縁」の取付と「透湿防水シート張り」「シーリング打ち」が費用に含まれます。
その他、足場代や養生費、現場管理費などが別途必要となります。
カバー工法は既存の外壁材を残したまま施工するので、張り替えよりも撤去費用や工期を抑えることができますが、既存外壁に新たな外壁を重ね張りする方法であるため、外壁の重量が増えてしまいます。
よって、カバー工法には「金属サイディング」や「樹脂サイディング」など軽量の外壁材が適しています。
張り替えとは、既存の外壁材をすべて撤去して、下地を補修・調整の上、新しい外壁材に張り替えるリフォーム方法です。
以下は、サイディングの張替え工事に掛かる費用相場の内訳です。
項目 | 費用相場 |
足場代 | 600~1,000円/㎡(架け面積) |
飛散養生 | 150~300円/㎡(架け面積) |
既存外壁材の解体・撤去 | 1,000~3,000円/㎡ |
胴縁取付 | 1,000~1,500円/㎡ |
透湿防水シート張り | 300~600円/㎡ |
サイディング張り | 4,000~10,000円/㎡ |
シーリング打ち | 700~1,000円/m |
張り替えは、新しい外壁材を張るだけでなく、透湿防水シートや断熱材の取り換え、下地補修もできるので、建物の防水性や断熱性、耐久性を向上することも可能です。
また、軽量の外壁材に張り替えれば、耐震性の向上も期待できます。
ただし、既存外壁材を撤去する手間や廃材の処分に加えて、防水改修、断熱改修、下地補修も行って外壁材を張り替えるとなれば、他の外壁リフォーム方法より費用が高くなり、工期も長くなります。
シーリング(コーキング)補修
シーリングはコーキングとも呼ばれており、どちらも材料の隙間や目地を埋めて気密性や水密性、防水性を保持するための充填材として扱われます。
また、温度変化による伸縮膨張や地震などの揺れ、歪みなどに対する緩衝材としての役割も果たします。
シーリング費用は、既存シーリングの上から「増し打ち」するか、既存シーリングを撤去して「打ち替え」するかによって異なります。
以下はシーリング補修に掛かる費用相場の内訳です。
項目 | 費用相場 | |
増し打ち | シーリング増し打ち | 500~900円/m |
打ち換え | シーリング打ち換え | 900~1,200円/m |
打ち換え | 既存シーリング撤去 | 10,000~30,000円 |
増し打ちの場合、既存シーリングの上に充填するので、打ち換えよりシーリングの使用量が少なくて済み、費用を抑えられます。
サッシ周りのシーリングにおいて、サッシの形状的に撤去することでサッシや下地を痛めてしまう懸念があるケースでは、増し打ちが適しています。
また、北側の紫外線や太陽光が直接当たらない面でシーリングの上に塗装を施している場合は劣化の進行が遅くなるため、増し打ちでも可能なケースがあります。
ただし、既存シーリングにひび割れや硬化が見られる場合はシーリング本来の機能が失われており、増し打ちでは不十分なので、打ち換えによる補修となります。
打ち替えは、既存コーキングの撤去が必要になり、シーリングの使用量も多いことから、増し打ちより費用が高くなります。
しかしながら、増し打ちと比べてシーリングの厚みが十分に確保でき、本来の機能を取り戻すことができるので、外壁塗装と合わせて行うのであれば打ち換えの方が望ましいでしょう。
サイディング補修前の外壁状態の確認方法
サイディング補修を実施する前に、目視や触診によりサイディングの状態を把握することが補修方法を検討する参考になります。
ここでは、既存サイディングの状態の確認方法について紹介いたします。
ひび割れ・塗装の剥がれなどの状態
窯業系サイディングの表面塗膜が経年劣化すると、主原料がセメントであるため雨水や湿気などを吸水しやすくなり、膨張と乾燥収縮を繰り返すことでひび割れが発生することがあります。
また、塗膜の密着性が損なわれ部分的に剥がれてくることもあります。
まずは、外壁全体を見渡してみて、ひび割れや塗膜の剥がれを確認できれば劣化症状のサインと捉え、酷くなる前に外壁塗装のメンテナンスを検討しましょう。
手で触れて凹凸を確かめる
サイディングを手で触ってみて凹凸が確認できた場合は、表面塗膜が劣化し始めている可能性があります。
凸凹ができると雨垂れなどにより汚れが溜まりやすくなり、カビやコケが住みやすい環境を生み出してしまいます。
ひび割れや塗膜の剥がれの確認と同時に、カビやコケが発生していないかも確認するようにしましょう。
サイディングの反り
窯業系サイディングの表面塗膜が劣化し、雨水などを吸水するようになると、膨張と乾燥収縮を繰り返すことでサイディングが変形して、反りが発生することがあります。
反りをそのまま放置すると、隙間から雨水や湿気が侵入し、雨漏りや建物内部の劣化を早める要因となります。
一度、反りが発生してしまうと元の形に戻せなくなり、反りが進行して大きくなると割れてしまう危険があります。
目視でサイディングの反りを確認したら、それ以上進行しないように早急に対応を検討しましょう。
シーリングのひび割れ
シーリングは経年劣化や施工不良によってひび割れが発生することがあります。
低い箇所であれば、目視でシーリングのひび割れを確認できるケースが多く、高い箇所でも望遠カメラなどを用いれば確認できるでしょう。
ひび割れを放置すると隙間から雨水などの水分が浸入し、雨漏りやカビの発生などにつながるため、サイディング補修と同時に打ち替えするのがおすすめです。
劣化症状に合わせた補修方法
紫外線や太陽熱、風雨などの自然環境に晒されている外壁サイディングは経年と共に徐々に劣化していきます。
しかし、どのような劣化症状が発生したら補修を検討して、どのような方法で補修すればよいのでしょうか。
ここでは、サイディングの劣化症状に合わせた補修方法を紹介いたします。
ひび割れ
ひび割れ補修については、専用のシーリング材や下塗り材、パテを充填して隙間を埋めてから塗装する補修となります。
表面の塗膜に発生している髪の毛ほどの細いヘアークラックの場合は、微弾性フィラーやセメントフィラーなどの下塗り材を刷毛やヘラで擦り込んで補修します。
ひび割れ幅が大きい場合は、プライマーを塗布して弾力性のあるシーリング材やパテで隙間を埋めて平滑に処理し、塗装して仕上げます。
すり傷
窯業系サイディングに付いた擦り傷の場合、シーリングやパテを充填して塗装して仕上げる部分補修が適しています。
小さな擦り傷程度であればDIYでも施工できるので、色柄や模様がシンプルなサイディングの擦り傷補修についてはDIYでやってみるのも費用を抑える方法の一つです。
ただし、部分塗装は既存サイディングとの色合わせが重要で、調色していない塗料で塗装してしまうと、かえって補修跡が目立ってしまうこともあるので、複雑なデザインのサイディングは専門業者に依頼した方が無難でしょう。
金属サイディングは傷が付きやすい素材であり、擦り傷が付いてしまうと表面に施されている塗膜が剥がれてしまい、金属部分が露出することで錆びやすくなります。
金属サイディングの表面にはメッキ塗装が薄く層状に施されており、擦り傷が付いてしまうと部分補修するには高い技術力が求められます。
傷補修などを専門とするリペア補修業者に依頼して、目立ちにくくすることはできるので、擦り傷が気になる場合は専門業者に相談することをおすすめします。
反り
サイディングの反りについては、反りが軽度の場合と重度の場合で補修方法が大きく変わります。
軽度な反りの場合、釘やビスを端部や中央に増し打ちして固定力を高めて反りを矯正します。
その後、釘やビス頭にシールを打ち、外壁色合わせの塗料でタッチアップ塗装して仕上げます。
一方で、反りや変形の程度が大きく、釘やビスを打ち込むと割れてしまう危険性がある場合や、大きなひびや割れが発生している場合、部分的にサイディングを張り替える補修となります。
チョーキング・色あせなど
サイディングの塗膜が劣化して白い粉状になって付着している現象をチョーキング(白亜化現象)といいます。
チョーキングや色褪せは塗膜の劣化症状なので、早めに高圧水で洗浄して下地処理を施し、塗り替え補修すれば新しい塗膜が形成され、サイディングを保護する機能が復活します。
サイディングを指で触ってみて白い粉のようなものが付いたり、色褪せていれば経年劣化のサインと捉えて、次の塗替えメンテナンスを検討するようにしましょう。
欠け・凹み
サイディング欠けの補修については、部分的であれば欠けている箇所にパテを充填して成形し、塗装して仕上げます。
欠けが広範囲にわたっている場合は、サイディングの強度も低下している可能性があるので、部分的な張り替えによる補修を検討しましょう。
サイディングの凹み補修については、割れているサイディングを取り外して元通りに接着し、隙間にパテを充填して塗装して仕上げる補修となります。
凹みの程度が大きい場合は、部分的な張り替えによる補修が適しています。
防水シート・断熱材まで傷んでいる
サイディングの下にある透湿防水シートや断熱材が劣化して傷んでいる場合、既に防水性や断熱性は損なわれているので、サイディングを取り外して新しいものに取り替える必要があります。
また、雨水などの浸入や結露により内部構造材まで腐食している可能性もあるので、大がかりなメンテナンス補修が必要となるケースがあります。
シーリングのひび割れ
シーリングにひび割れが発生してしまった場合、基本的には「打ち換え」により補修します。
経年劣化や施工不良によって生じるひび割れの場合、本来の防水性能が発揮されず雨水が浸入しやすくなり、外壁材のひび割れや変形、内部構造材の腐食や雨漏りの原因に繋がります。
シーリングの防水機能低下は、建物の耐久性に関わる問題なので、悪いシーリングを取り除いて健全なシーリングに打ち換えるようにしましょう。
サイディング補修はDIY可能?
DIYによるサイディング補修は必要な道具や材料を一通り揃えればある程度は可能です。
しかしながら、劣化症状に対する補修方法を自分の判断で決めてしまうと、うまく補修できないばかりでなく、補修が不完全なために更なる劣化症状を引き起こしてしまうケースもあります。
また、2階部分など高所での補修作業は足元が不安定であり、足場を組まないと非常に危険です。
サイディングの補修工事には、専門知識と経験、技術が必要とされます。
仮にDIYで部分的にサイディング補修がうまくできたとしても、全体的な劣化状況や適切な補修方法、緊急性の有無までを正しく判断するのは困難でしょう。
表面的な補修だけで済ませて、内部の腐食を見逃してしまえば建物の耐久性も低下してしまいます。
よって、DIYで補修するのはあくまで応急処置として、劣化状況の診断と補修は専門業者に依頼するようにしましょう。
サイディングの外壁の補修に関するお悩みはリメイクホームにおまかせください!
ここまで、サイディングの外壁の補修方法について解説してきました。
私たちリメイクホームは、愛知県を中心に外壁塗装や屋根塗装、リフォームを手がけています。
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