外壁をよく見てみるとシーリングが劣化していたという方はいらっしゃるでしょうか。
シーリングは消耗品なので、5〜10年で劣化します。
シーリングの劣化が防げるのであれば、そうしたいですよね。
そこで今回は、シーリングの劣化原因と対策について紹介します。
このページで分ること
シーリングの劣化状況について
ここではシーリングの劣化状況を紹介します。
5つの状況について紹介しますので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1つ目は、黒く汚れていることです。
シーリングの中には可塑剤と呼ばれるものが含まれています。
これがあることでシーリングが柔らかくなり、加工がしやすくなります。
シーリングと塗料の相性によっては、この可塑剤が浮き出てしまうことがあります。
この現象をブリード現象と言います。
ブリード現象が発生し、塗料と可塑剤が反応したり、可塑剤が汚れを吸収したりすることで黒い汚れが発生してしまいます。
2つ目は、痩せてしまっていることです。
先ほど紹介した可塑剤が溶け出してしまうと、シーリング自体が痩せてしまいます。
シーリング自体が痩せていて、その状態を放置していると状況は悪化していくでしょう。
3つ目は、目地から剥がれていることです。
建材とシーリングの間に隙間が発生している状態やサイディングの隙間から剥がれて取れている状態です。
もし施工から数年しか経っていないのであれば、下処理が不十分であったり、プライマーの塗り忘れがあったりということが予想されます。
10年経過して剥がれが見受けられるという場合は、経年劣化と考えるのが妥当です。
4つ目は、ひび割れていることです。
シーリングの中央にひび割れが生じています。
経年劣化で発生するもので、シーリングの寿命と言えるでしょう。
5つ目は、パサパサに乾いて粉のような状態になっていることです。
シーリング材には1成分型と2液成型の2種類があり、2成分型とはシーリングに硬化剤という材料を混ぜて使用するシーリング材です。2成分型のシーリングの場合にシーリングに硬化剤を混ぜてから15分ほど攪拌機で混ぜてから施工を開始しますが、攪拌が足りなかったりすると、硬化不良が起きてシーリングが早期で粉上になる劣化が起きます。
劣化の原因を紹介
ここではシーリングが劣化する原因を4つ紹介します。
1つ目の原因は、耐ムーブメント力がなくなることです。
外壁というのは四季の変化や温度の変化によって、膨張と収縮を繰り返しているのです。
この膨張と収縮のことをムーブメントと呼びます。
シーリングというのは外壁の間に設置されているものなので、外壁が膨張や収縮をするとシーリングもその影響を受けてしまいます。
その結果として、シーリングの断裂や剥がれが発生するのです。
2つ目の原因は、可塑剤の流出です。
先ほども可塑剤が流れ出ることは紹介しました。
可塑剤は紫外線や雨風、経年劣化によって表面へと流れでます。
3つ目の原因は、紫外線です。
亀裂やひび割れが始まっているシーリングは、紫外線によってさらに悪い影響が発生します。
紫外線などの外壁要因によって樹脂が分解されてしまうのです。
樹脂が分解されてしまうと、チョーキングが発生します。
チョーキングとは、シーリング内部の成分が表面に出てくる現象のことです。
シーリングに弾力がなくなってしまいパサパサになっています。
4つ目の原因は、ひび割れです。
チョーキングが発生すると、表面にクラックが発生します。
ひび割れのことですね。
クラックが進行すると、シーリングそのものが風化してしまいます。
シーリングを補修する方法とは
シーリングの補修方法は主に2種類があります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
・打ち替え方法
こちらの方法は、古いシーリング材を一度全て撤去します。
そして、新しいシーリングを打ちます。
残っているシーリングを撤去するという作業があります。
そのため、手間と時間がかかってしまいます。
しかし、全て新しいシーリングとして入れ替えられるので、強度は高められます。
・打ち増し方法
こちらの方法は、既存のシーリング材を残しつつ、その上からシーリングを充填していきます。
すでに硬化しているシーリング材に打ち込んでいくため、強度としては打ち替えよりは低くなってしまいます。
補修をする際にDIYをしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
DIYをする際には以下の方法で進めるのが一般的です。
・シーリング材を選ぶ
シーリング材にはNBシーリング(ノンブリードタイプ)やシリコンシール・変成シリコンシール等様々な材料があります。DIYの場合は種類を気にせずに施工される方は多いのですが、シリコンシールだと塗料を弾く性質がある為、今度塗装をする可能性がある部分への使用は控えた方が良いと考えます。
ご注意下さい。
・既存のシーリングの撤去
既存のシーリングの上から増し打ちするのは全く何もしないよりは良いのですが、シーリングは薄く塗っても耐久性が出ない為、可能ならDIYで施工する場合も既存のシーリング材はカッターナイフ等で撤去してから施工をした方が良いでしょう。その際はシーリング以外を傷つけないようにお気を付けください。
・養生テープで加工
シーリングを施工する際はシーリングがあちこちに付着すると見た目が悪くなるので、施工する場所以外にはシーリングが付着しないようにマスキングテープ等で養生作業をすることをお勧めします。一度付着したシーリングは除去するのが比較的困難です。お気を付けください。
・プライマー(接着材)塗り
シーリング材はベトベトした質感ですのでプライマーを塗らなくてもある程度、接着する性質はありますが、長期的に見た場合にはプライマーを施工せずにシーリングを打設しても剥がれてくることが予想されますので、プライマーを塗装してからシーリングを施工することをお勧めします。
・仕上げ
シーリングはガンと呼ばれる道具で充填しますが、ただ充填するだけでは空気が入ってしまい短期間で膨れてくる不具合が発生することがあります。ヘラで充填後に抑える必要があります。抑える時は同じ場所を何度も何度も抑えてしまうとシーリングを削って薄くスキ取ってしまうので、適切な力加減で抑え作業をしてください。見た目と耐久性に影響してしまいます。
施工手順を参考程度にご紹介しました。
しかし、シーリング材を打ち替えるのは非常に大変です。
シーリング材の選定から施工まで、専門的な知識が必要なだけでなく、相当の施工技術も必要になるでしょう。
その上、実際にご自身で施工をしたとしても、完璧に施工できるとは言えませんよね。
施工をした結果うまくいかなければ、やり直す必要が出てくるかもしれません。
はじめから専門業者に依頼した方が確実にシーリングを補修できます。
コスパは良いかもしれませんが、確実性を重視するためにはプロに依頼することをおすすめします。
まとめ
今回は、シーリングの劣化原因と対策について紹介しました。
劣化の原因と対策、補修の方法についてお分かりいただけたでしょうか。
そのほか外壁のことで相談したい方は是非当社までお問い合わせください。
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