この記事を読んでいるあなたは、
- カラーベストは塗装が必要なのかを知りたい
- カラーベスト塗装のメンテナンス周期を知りたい
- カラーベスト塗装の費用を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「カラーベストの塗装の必要性、メンテナンスの周期・塗装の費用」などをお伝えしていきます。
カラーベストの塗装の必要性は?
カラーベストとは、平形屋根用のスレートです。
瓦屋根や金属屋根より安価であり、軽量かつ耐震性に優れているので、多くの日本家屋の屋根葺材として採用されてきました。
屋根は常に紫外線や太陽熱、風雨、積雪などに晒されており、建物の中でも最も負担がかかる場所です。
そのため塗装が必要であり、カラーベストの劣化には、表面に塗装を施して塗膜を再生することにより、色褪せやひび割れ、反りなどの発生を抑制します。
カラーベストの劣化を放置しておくと、カラーベストが雨水を吸い込むようになり、色褪せやひび割れ、反りなどの原因に繋がります。
ひび割れや反りなどによりカラーベスト同士に隙間ができるほど、下に敷いているルーフィングと呼ばれる防水紙への雨水の漏水量が増えてしまい、防水紙の劣化を早めて雨漏りを引き起こしやすくなります。
また、カラーベストは屋根勾配をある程度必要とする屋根葺材であり、屋根の様子が地上から見えてしまうので、劣化してしまうと美観性が損なわれてしまいます。
以上のことから、カラーベストの劣化には、定期的に塗装を施すことで、色褪せやひび割れ、反りなどの発生を抑制し、大切なお住まいを長持ちさせるのです。
カラーベストの塗装のメンテナンス周期は?
カラーベスト屋根の塗装を実施するタイミングについては、塗料の種類により塗膜が劣化する頃合いも変わりますが、平均的な自然環境下で10〜12年毎を目安として塗り替えが推奨されます。
ただし、塗装作業するには足場を組み立てないとできないので、屋根塗装を実施するタイミングで外壁塗装と外壁継ぎ目及びサッシ廻りなどのシーリング打ち替えを合わせて行うようにするのがベストタイミングです。
新築後10年経過時においては、専門業者に建物の劣化状況を診断してもらい、今すぐに塗装するべきなのか、あと2〜3年経過後の塗装でも間に合うか判断してもらうようにするとよいでしょう。
2回目の塗装を検討する頃には、カラーベスト自体の耐久性が低下してくるので、塗替えでは耐久性を回復できなくなるケースもあります。
よって、カラーベストの劣化状態によっては、後述するカバー工法あるいは葺き替えでのメンテナンスも検討するようにしましょう。
カラーベスト屋根の耐久年数
カラーベストの耐久性については、製造された時期やアスベスト含有の有無などにより差はありますが、定期的に屋根塗装やひび割れ補修などを実施した場合、一般的なカラーベストで20年から30年、長寿命のものは35年が寿命と言われています。
ただし、カラーベストには問題がなくても、その下に敷かれているルーフィングが劣化してしまうと防水性能が損なわれてしまい、雨漏りの発生に繋がることがあるので、新築後20年位を目安として注意が必要となります。
カラーベストの塗装以外の補修方法
カラーベストの耐久性が低下し、ルーフィングや屋根下地の劣化が進む段階になると、塗替えでは対応できなくなります。
劣化したカラーベストの塗装以外のメンテナンス方法としては、カバー工法と葺き替えの2つの工法が挙げられます。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ね葺きする工法です。
既存の屋根の上に防水シートを貼り、その上に軽量かつ耐久性、防水性の高い「ガルバリウム鋼板」などの金属屋根を被せるのが主流です。
カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずに施工する工法なので、屋根材の解体費用と廃棄物処理費を抑えられます。撤去処分するのは、棟板金や貫板、雪止めくらいです。
また、屋根材の解体・処分する手間が省ける分、葺き替え工事より短い工期で完了します。
注意点としては、カバー工法は、既存の屋根がカラーベストや金属軽量屋根など平らな屋根葺材の上からであれば施工は可能ですが、瓦屋根のように波型の形状では新しい屋根材を被せられません。
葺き替え
葺き替えとは、既存の屋根材を全て撤去して、損傷した野地板を補修の上、新しいルーフィングと屋根材に葺き替える工事です。
既存の屋根材の種類によっては施工できないというケースはなくなり、軽い屋根材に葺き替えれば耐震性の向上も期待できます。
また、既存の屋根材を全て撤去して野地板の状態を確認するので、雨漏りが発生している場合には原因を解明できます。
一方で、既存の屋根材や貫板などの解体・撤去費用、野地板の補修などの手間がかかる分、カバー工法より工期は長くなります。
カラーベストの劣化症状
カラーベストは、常に紫外線や風雨などに晒されているため、徐々に劣化が進行していきますが、具体的にはどのような劣化症状が発生するのでしょうか?
カラーベストの劣化症状としては、以下の症状が挙げられます。
色褪せ
紫外線や風雨などにより、カラーベスト表面の塗膜が劣化してくると、色褪せが見られるようになります。
色褪せは、カラーベストの劣化症状の内、初期段階に見られる症状で、これから劣化が進行するサインです。
カラーベストの継ぎ目に雨水が集中し、継ぎ目から色褪せする傾向があります。
色褪せをそのまま放置してしまうと徐々に広がっていき、やがては黒ずんでしまい屋根全体が汚く見えてしまいます。
カビや藻の発生
カラーベストの色褪せが発生し、さらに劣化が進行すると、塗膜の撥水性が切れてしまい、水捌けが悪くなってしまいます。
カラーベストに水分が溜まるようになると、カビや苔、藻が発生しやすい環境になり、あっという間に繁殖してしまいます。
カビや苔、藻が繁殖するほど水分が長時間滞留してしまい、カラーベストの劣化を早めてしまいます。
反り・割れ・剥がれ等
カラーベストは、主原料がセメントから作られており、雨水などを吸水しやすい素材です。
カビや苔、藻の繁殖により塗膜の劣化が進行し、水分を吸収しやすくなると、凍結融解や温度変化などによる膨張・収縮を繰り返すようになり、その動きに耐えられなくなってくると、反りや割れが発生してしまうことがあります。
反りや割れを放置してしまうと、隙間から雨水がルーフィングに浸入するようになり、ルーフィングの劣化を早めてしまいます。
また、カラーベストを固定している釘やビスが下地の劣化により緩むと、釘やビスで固定していた部分にズレが生じ、カラーベストに割れやひびが入ったり、剥がれたりしてしまうことがあります。
棟板金の釘の浮き・抜け落ち
棟板金とは、棟と呼ばれる屋根の面と面が交差する頂部を包み込む金属製の板材です。
棟板金は、屋根材の継ぎ目を固定し、隙間を覆うことで雨漏りを防止する役割を担います。
常に風雨に晒されているので、屋根の中でも劣化しやすく、棟板金を固定している貫板という木下地が経年劣化により腐食してしまうと、釘やビスなどの固定が効かなくなってきます。
すると、棟板金が浮いてしまい、隙間から雨水が浸入しやすくなります。
さらに深刻なのは、台風や突発的な強風が発生すると、棟板金は下地の貫板ごと飛ばされて抜け落ちてしまうこともあり、大きな事故に繋がってしまう可能性があるので注意が必要です。
カラーベスト塗装の費用相場は?
カラーベストを高圧洗浄して綺麗な状態にして、シリコン塗料などによる塗り替えを施すことで、色褪せやひび割れなどの発生を抑制し、カラーベストは長持ちします。
カラーベストやルーフィングの劣化が進行する前に塗装工事を検討するのがベストです。
カラーベストの劣化の進み具合や、補修範囲、塗料の種類などにより費用は異なりますが、おおよその費用相場としては、
- 高圧洗浄:1㎡あたり100円~200円程度
- アクリル系塗料:1㎡あたり1,200円~1,800円程度
- ウレタン系塗料:1㎡あたり1,600円~2,200円程度
- シリコン系塗料:1㎡あたり1,900円~3,000円程度
- フッ素系塗料:1㎡あたり4,000円~5,000円程度
- 棟板金塗装:1mあたり1,300円~1,600円程度
- 縁切り処理:1㎡あたり500円~800円程度
- 足場設置費用:1㎡あたり800円~1,200円程度
となります。
また、同時に以下の付帯塗装をするケースもあります。
- 軒天塗装:1㎡あたり1,000円~1,600円程度
- 破風塗装:1mあたり800円~1,300円程度
- 雨樋塗装:1mあたり800円~1,300円程度
その他、現場経費や運搬費、廃棄物処理費などの費用もかかります。
ただし、上記の費用はあくまで目安であり、施工業者や環境、立地などにより価格差が生じます。
カラーベスト屋根のカバー工法・葺き替えの費用相場は?
カバー工法・葺き替えの費用相場をそれぞれ紹介していきます。
カバー工法の費用相場
カバー工法の費用相場は、既存カラーベストの下地である野地板の劣化の度合いや補修範囲、補修工法、使用する屋根葺き材などにより異なりますが、おおよその相場としては、
- 野地板補修、増張り:1㎡あたり3,000円~4,000円程度
- ルーフィング:1㎡あたり900~1,500円
- 屋根材:1㎡あたり7,000円~11,000円程度
- 棟板金:1mあたり3,000~5,000円
- 軒先板金:1mあたり2,500~3,000円
- ケラバ板金:1mあたり2,000~2,500円
- 足場設置費用:1㎡あたり800~1,200円程度
となります。
その他、現場経費や運搬費、既存の棟板金や貫板、雪止めなどの処分費用もかかります。
葺き替え工事の費用相場
葺き替え工事の費用相場は、選定する新しい屋根材により異なりますが、おおよその相場としては、
- 既存屋根材の撤去:1㎡あたり1,500円~3,000円程度
- 野地板補修、増張り:1㎡あたり3,000円~4,000円程度
- ルーフィング:1㎡あたり900円~1,500円程度
- 屋根材:1㎡あたり7,000円~11,000円程度
- 棟板金:1mあたり3,000~5,000円程度
- 軒先板金:1mあたり2,500~3,000円
- ケラバ板金:1mあたり2,000~2,500円
- 足場設置費用:1㎡あたり800~1,200円程度
- 廃材処分費は別途
その他、現場経費や運搬費、アスベスト含有屋根材の処理費、アスベスト含有屋根材の事前調査・報告費用もかかります。
2022年4月より、請負代金が税込100万円以上の改修工事には、アスベスト含有建材の有無について、事前調査結果を都道府県等へ報告することが義務化されました。
上記の条件未満のケースでも、アスベストの事前調査は原則として全ての工事に義務付けられます。
事前調査の結果、カラーベストにアスベストが含有されていれば、そのレベルに応じて適正に撤去処分する必要があり、余分に費用がかかります。
カラーベストの塗装はリメイクホームにおまかせください!
カラーベストの塗装の必要性、メンテナンスの周期・塗装の費用などについて解説しました。
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