屋根の塗装というのは、「見た目を良くするため」だけのものと思っている方も多いのではないでしょうか。じつはそれだけではありません。塗装は屋根の劣化を防ぐためにも大切なものなのです。
そんな屋根の塗装は「ただ塗料を塗れば良い」というわけではなく、いくつかの注意点があるのです。今回は、そんな屋根塗装に関する注意点について見ていきます。
このページでわかること
屋根が劣化すると、どんな症状が現れるのか?
住宅の屋根は、日がたつにつれ劣化していきます。雨風にさらされ日に照らされることは、徐々にではありますが、大きなダメージを与えていくのです。
現在、瓦屋根よりも一般的に使用されている「スレート屋根」ですが、これが日がたつにつれどんなダメージを受けて、どのような症状が現れるのか、といったことから見ていきます。
色褪せ
スレート屋根の劣化で最初に発生するのが「色褪せ」です。新品のスレート屋根は表面に塗膜が施されています。スレート屋根はスレート瓦と呼ばれる、軽量ながら防水性の低い建材が使われています。その低い防水性を補うため、表面に初期塗装が施され屋根の建材として使用できるだけの防水性を備えているのです。
スレート材の色褪せは、その塗膜の効果が低下してくると現れる症状です。色褪せているスレート材に大きな防水性能は期待できません。
コケの付着
色褪せてきて防水性能が低くなってしまったスレート材は、雨や湿気を吸収しやすくなってしまいます。常に湿った状態になってしまうと、空気中に飛んでいるコケの胞子がスレート屋根に付いて繁殖してしまうでしょう。繁殖したコケはスレート材の水はけを悪くしてしまいます。
ひび割れ
コケが根付きそれにより水分がたまるようになり常時湿気が高まると、スレート材が傷む原因となります。水分を含むことによる膨張と乾いた日に起こる乾燥を繰り返すことにより、「ひび割れ」が発生しやすくなるのです。
また根付いたコケは冬場になると凍ってしまい、「凍害」と呼ばれるスレート屋根のひび割れに繋がる現象を引き起こすこともあります。
欠け・反り
スレート屋根にひびが入ってしまうと、欠けや反りが発生するのも時間の問題です。ここまで症状が酷くなってしまうと、スレートの交換や葺き替えが必要となります。
塗装をするうえでの注意点とは?
スレート屋根の劣化は、色褪せから始まり症状が酷くなっていきます。そのため、屋根の寿命を延ばすためには、「塗装」を施すことがメンテナンスとして重要と言えます。
しかし屋根を塗装するとひと口にまとめても、そのやり方はさまざまです。たとえば専門の業者に依頼する場合もあれば、DIYで塗装するという場合もあるでしょう。どちらにしても塗装に関しての知識をある程度身に付けておかないと、思ったような効果が得られないので注意が必要です。
では屋根に塗装をするうえで、どんな注意点があるのか、気を付けるべき点はどんなことがあるかといったところを見ていきます。
塗料の種類により効果に違いがある
塗装に使用する塗料にはさまざまな種類のものがあり、その種類ごとに効果や特徴が異なるのです。たとえば「ウレタン塗料」は価格が安いですが、耐候性が低いため塗り替えサイクルが早くなってしまいます。逆に「無機塗料」は塗料のなかでも耐候性が高く不燃性も高いのですが、金額が非常に高いといった特徴があります。
塗装業者などに依頼せず自分で塗装を行う場合、そういった特徴を把握して塗料を選択しなければなりません。
下塗り材の種類も違いがある
屋根に塗装を行う場合、下塗り材と呼ばれる下地材を最初に塗ります。下塗り材は一般的にはシーラーというものを使用しますが、実際は屋根材によって下塗り材を変える必要があるでしょう。建材と建材の状態にあった下塗り材を使用しないと、塗料を塗ってもすぐに剥がれてしまったりします。
色ムラが起こりやすい
屋根の塗装は、一度塗りだけでもある程度の仕上がりにはなりますが、より艶を出しきれいな仕上がりにしたいなら、二度塗り・三度塗りをしなければなりません。一度塗りは色ムラが起きやすかったり、屋根建材が塗料を吸ってしまったりといったことが起こります。業者によっては一度塗りのみで済ませてしまう場合もあるので、二度塗り・三度塗りを行ってくれる業者に依頼しましょう。
安全対策をしっかりと行わなければならない
屋根の塗装をする時には、最大限安全面に配慮をしなければなりません。ただDIYで屋根塗装をするとなっても、どんな装備を用意すれば良いのかが分からなかったり、各装備を用意するのに高額な費用がかかったりします。
DIYで屋根塗装を行う場合には、ヘルメット・落下防止用ベルト・安全靴、作業靴といったものを最低限用意するようにしましょう。専門業者に依頼する場合は、その点は業者に任せられます。
塗装前に屋根の汚れをきれいに落とす必要がある
屋根塗装は、屋根がきれいな状態でないと、塗ってもすぐに塗料がはげたり、落ちやすくなってしまうというのも注意点のひとつです。塗装前には高圧洗浄機などで屋根に溜まった汚れを落としておきましょう。ただ、高圧洗浄機を持っていないという人も多いでしょう。専門の業者ならばそういった機器も、もちろん備えています。
養生
塗料は塗っているときに、どうしても飛散してしまいます。そんな飛散した塗料が他へ着いてしまうのを防ぐために必要なのが、養生です。ホームセンターにも養生シートは売っているので、用意しておきましょう。
注意点としては、可能ならば近所の家や車・自転車などといったものにも養生をしておかなければならないという点があります。そうしておくことで、万が一のトラブルを避けられます。
まとめ
屋根というのは少しずつですが、だんだんと劣化していくものです。劣化の第一段階の症状である「色褪せ」を放置し続けるとどんどん劣化具合が酷くなってしまうので、色褪せが始まったら早めに「塗装」をする必要があります。
屋根塗装は「業者へ依頼する」・「DIYする」という二つの方法がありますが、それぞれに注意点があります。それらをしっかりと把握しておくことが、塗装を上手くきれいに仕上げ、そして屋根の寿命を延ばすポイントとなるでしょう。
代表的な屋根塗装の注意点としては、「塗料の種類により効果に違いがある」「下塗り材の種類も違いがある」といったことなどがあります。
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