この記事を読んでいるあなたは、
- 屋根瓦の漆喰について知りたい
- 屋根瓦の漆喰工事の種類を知りたい
- 屋根瓦の漆喰工事の費用や工期を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「屋根瓦の漆喰工事の種類やその方法、費用・工期」などをお伝えしていきます。
屋根瓦の漆喰とは?
屋根瓦の漆喰とは、棟の葺き土(フキツチ)を守るために塗り込まれる材料です。
葺き土とは、瓦を屋根に葺く際に、屋根の合板の上で土をなじませて不陸調整を行う際に実施する工程です。
棟の側面を下から支えるように、棟と平部の隙間を埋めるように刷り込んでいきます。
また、屋根材には金属屋根やスレート屋根などの種類がありますが、漆喰が使われるのは瓦屋根のみです。
屋根瓦の漆喰の役割
屋根瓦の漆喰の役割は、以下の2つです。
それぞれ解説します。
雨水の侵入を防ぐ
屋根瓦の漆喰には、雨水の侵入を防ぐ役割があります。
屋根瓦の棟の内部には、瓦を支えるために「葺き土」が詰められています。
葺き土がのし瓦を固定することで、棟瓦の強度を保っている仕組みです。
漆喰は、棟瓦の強度を保つのに必要不可欠な葺き土に雨水が侵入しないように設けられます。
葺き土が雨水で濡れると、次第に劣化して痩せていき、瓦の固定力が弱まってしまうため、漆喰で守る必要があるのです。
美観性を保つ
漆喰には、屋根瓦の美観性を保つ役割もあります。
漆喰は接着性のある材料であるため、瓦を屋根に接着させる際に使われています。
瓦が漆喰で固定されることで、地震や雨風に強くなり、落下や剥がれのリスク防止が可能です。
また、瓦のズレは美観性を損ねてしまうため、瓦が漆喰でで固定力を高めることで、綺麗な瓦屋根が保たれます。
屋根瓦の漆喰は定期的な補修が必須!
屋根瓦の漆喰は、屋根全体の固定力と美観性を保つために、定期的な補修が必須です。
瓦自体の耐用年数は、50年〜100年と長寿であるため、破損や剥がれがない限り、補修や塗装などは必要ありません。
しかし、漆喰の耐用年数は10年〜20年ほどと瓦と異なるので、混同しないように注意しましょう。
加えて、漆喰は吹きさらしの状態で雨風や紫外線などの影響を受けやすいため、状況によっては劣化が早まる可能性があります。
そのため、寿命の短い漆喰は、定期的に状態を確認し、劣化の症状に合わせた補修が必要です。
漆喰の劣化の主な症状
漆喰の劣化の主な症状は、以下の4つです。
上記の症状が発生した場合、工事の検討が必要です。
ひとつずつ具体的な症状を解説します。
漆喰のひび割れ
漆喰のひび割れは、劣化の初期にみられる症状です。
耐用年数が近づいて経年劣化で起こることもあれば、地震などの揺れが原因で起こる場合もあります。
そのため、大きな地震が発生した際には、漆喰にひび割れがないか確認をおすすめします。
漆喰の剥がれ
漆喰の剥がれは、ひび割れが進行すると発生します。
漆喰が剥がれると、漆喰の塊が屋根の上や敷地内に落ちるようになるため、地震や台風などが発生したら、確認してみましょう。
瓦の剥がれ
瓦の剥がれは、漆喰の劣化が大きく進行しているサインです。
屋根瓦の棟にある葺き土に雨水が侵入して固定力を低下させている可能性が高いため、瓦の剥がれを確認したらすぐに補修しましょう。
とはいえ、瓦の剥がれは、見えづらく確認が難しい屋根の上で起こっていることもあります。
そのため、定期的な施工業者による点検をおすすめします。
瓦の剥がれだけでなく、前兆となる漆喰の劣化も合わせて確認してくれるため、大きな事故の防止にもつながります。
棟の台土の流出
漆喰の劣化が進むと、棟の葺き土が流出する恐れもあります。
葺き土の流出は、漆喰の劣化レベルとしては最上であり、棟の倒壊の原因になる症状です。
漆喰が剥がれて棟の葺き土が流出すると、瓦の間に隙間ができている状態になるため、雨漏りを引き起こしやすい状態になります。
その状態を放置していると、土がなくなり屋根の形状を維持することができなくなるため、瓦がくずれて落下する危険も出てきます。
さらに、補修には多大な費用がかかるため、この状態になるまでにメンテナンスの実施をおすすめします。
対応が早ければシルガードや南蛮漆喰と呼ばれる漆喰で簡易的に補修できる場合もあります。
漆喰の劣化を放置してはいけない理由
漆喰の劣化を放置してはいけない理由は、以下の2つです。
それぞれ解説します。
雨水が浸入し雨漏りの原因になる
漆喰の劣化の放置は、雨漏りの原因になりかねません。
漆喰が劣化の進行によって剥がれ、棟の葺き土に雨水が侵入すると、次第に葺き土が風化してしまいます。
その結果、屋根の下地にも雨水が浸透してしまい、雨漏りが発生します。
雨漏りが発生したら、天井の修理だけでなく、屋根の現状確認と修理も合わせて行いましょう。
棟が倒壊する恐れがある
雨水の侵入で葺き土が風化し流出することにより、屋根の形状を維持することが出来なくなるため、棟が倒壊し瓦が崩れて落下する危険を招く恐れがあります。
棟の固定力は、葺き土よって高められているため、雨水が侵入して固定力が弱まると、地震や台風を受けて倒壊する危険もあります。
そのため、多少の漆喰のひび割れや剥がれであっても、大きな事故につながる可能性があると考えて、防止のための定期点検や工事が必要です。
屋根瓦の漆喰工事は2種類
瓦屋根の漆喰工事は、以下の2種類です。
それぞれ解説します。
漆喰増し塗り工事
「漆喰増し塗り工事」は、既存の漆喰はそのままで、新しい漆喰を上から塗り直す工事です。
手順と使用する漆喰が少ないため、費用を抑えて工事が可能です。
しかし、漆喰の厚みが増すため、雨風の影響が受けやすくなってしまいます。
また、古く劣化している漆喰は残っているため、既存の漆喰が剥がれるリスクを考えると、漆喰の長寿命を希望される方にはおすすめできない施工方法になります。
結果的にすぐに再施工しなければならない可能性もあります。
漆喰詰め直し工事
「漆喰詰め直し工事」は、既存の漆喰を取り除き、新しい漆喰を塗り直す工事です。
費用は、既存の漆喰を取り除く手順や、使用する漆喰の量が多いため、漆喰詰め増し工事と比べて多くかかります。
とはいえ、新しい漆喰に交換することで雨水の侵入を防止する機能は回復するため、長期的には漆喰詰め直し工事の方がお得に工事できます。
漆喰の長寿命化が図れることから、長持ちする施工を希望される方にはおすすめです。
漆喰詰め直し工事の手順・工法
漆喰詰め直し工事は、以下の手順・工法で行います。
ひとつずつ解説します。
①古い漆喰を取り除く
まずは、古い漆喰を取り除きます。
劣化している漆喰や機能が低下している漆喰をそのままにしておくと、またすぐに劣化してしまったり、十分な機能を発揮しません。
この段階では、既存のすべての漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰められる状態を整えます。
②下地を整える
古い漆喰が取り除けたら、次は下地を整えます。
漆喰を取り除いた部分を清掃し、新しい漆喰が隙間なく詰められる状態にします。
③新しい漆喰を詰める
下地が整ったら新しい漆喰を詰めていきます。
既存の漆喰をすべて取り除き、新しい漆喰を詰めることで雨水の侵入を防ぐ機能が回復します。
漆喰は、剥がれにくいように適度に厚みで詰めるのがポイントです。
④シルガードで漆喰をやり直す
シルガードとは、南蛮漆喰とも呼ばれる漆喰で、通常の漆喰と違い、シリコンや防水剤を添加し強度や防水性を高めた漆喰です。
増し塗りや詰め直しで使用することもありますが、棟瓦を外して葺き土を撤去し、葺き土と漆喰を兼用する役割で使用する方法が、最も耐用年数が長くおすすめの工法になります。
ただし、瓦を外したり土を処分する手間等が余分にかかるため、費用面での相談は必要になります。
⑤乾式工法の漆喰でやり直す
乾式漆喰では、軽量の黒いアルミ状の通気シートを漆喰の代わりに施工します。
商品名は、フリーエアロール又は別メーカーでハイロールといいます。
役割は、防水と通気の両方です。
雨が棟の隙間から降り込もうとするのを防水し、屋根裏に溜まった湿気をシートの微細な隙間から逃がします。
漆喰も基本的には同じ役割をするのですが、黒いアルミのシート(ハイロール)のメリットは軽量・高耐久です。
デメリットは、漆喰と違い棟瓦を一旦撤›去してからしか施工出来ませんので価格が高いことです。
ただし、こちらの商品は施工の仕方にもよりますが、上手い職人さんが施工をすればもう漆喰を塗り直す必要がなくなりますので、初期投資の費用の折り合いが合えば最も優れた工法と言えます。
ハイロールの詳細や施工事例については、こちらをご確認ください。
漆喰詰め直し工事の工事日数
漆喰詰め直し工事の工事日数は、施工範囲によって変わりますが、およそ3日〜5日で完了します。
工事日数が気になる方は、事前に施工業者に相談し、日数を確認すると良いでしょう。
費用が安く、1日で塗り終わると断言する業者には、注意が必要です。
また、他の工事と合わせて依頼したい場合も、合わせて施工業者に相談することで、スムーズに工事を行えます。
さらに、費用も割り引いてもらえる可能性があるので、まずは気軽に相談してみてください。
漆喰詰め直し工事の費用相場
漆喰詰め直し工事の費用相場は、1㎡あたり6,000円前後が目安になります。
施工範囲によって多少前後することもあるため、まずは施工業者に相談して見積もりを取得しましょう。
複数の施工業者から見積もりを取得・比較することで、お得に工事を行えます。
屋根瓦の漆喰工事ならリメイクホームにおまかせください!
瓦屋根の漆喰の概要や、漆喰工事の方法とその費用・工期まで解説しました。
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