ほとんどのお宅で外壁塗装工事を行う際にシーリング工事やコーキング工事といった工程を行います。
今日は外壁塗装を行う上で最も大切な部分と言われるシーリング工事について解説していきます。
あまり馴染みのない言葉ということもあり初めての方は特に「シーリング工事?コーキング工事?なんのこと?」と疑問を持つ方が多いでしょう。
外壁塗装をご検討されている方は是非参考にしてみてください。
このページで分ること
シーリング工事とは
シーリング工事とは、弾力性があるゴム材で外壁と外壁の間のつなぎ目の隙間を埋めたり、サッシ(窓やドア)と外壁の間にできる隙間を埋める為の防水工事のことを指します。
建物の隙間から雨水や湿気が入り込むと雨漏りを引き起こす可能性があるため、シーリング材で建物を保護しているといっても過言ではありません。それほどシーリングは建物にとって大切な存在です。
実はほとんどの外壁材でシーリング工事は行われます。しかも住宅建材で主流になる窯業系サイディングボードやALCパネルといった外壁材には他の種類の外壁と比べて更に多くのシーリングが使用されています。※一般住宅でも300m~500m程
ちなみにシーリング工事は別名コーキング工事とも呼ばれほぼ同じ意味で使われる言葉です。
サイデイングボードの目地
ALCパネルの目地
サッシと外壁のつなぎ目
シーリング工事が必要な状態
ではどのような状態になったらシーリング材を補修メンテナンスする必要があるのかを見ていきましょう。シーリング材自体は柔らかく伸縮性がありますが、紫外線の影響を受けることによって硬くなるので下記のような状態になっていきます。
亀裂・ひび割れ
シーリング材は紫外線等で固くなり放置しておくと劣化が進みシーリング材に亀裂やひび割れが入ります。
サイディングボード
ALCパネル
このような写真の状態であれば軽度の劣化ですが、劣化が進行すると隙間ができてしまい雨水や湿気などが外壁に入ってしまいますので、できるだけ軽度な劣化のうちに補修工事を行うことをおすすめします。
剥がれ(片割れ)
シーリング材が剥がれて隙間ができてしまっている状態です。
これはシーリング材を打つ際に付ける接着材がしっかりとついていないことでこのような状態になります。
隙間ができた外壁の断面はもともとも防水塗膜もないので雨水や湿気を吸収しやすくなり外壁の変形やひび割れといった経年劣化に繋がってしまうため注意が必要です。
取れてしまっている
シーリング材の裏側には青いテープが付けられ見えてしまっています。
これは完全にシーリング材が取れてなくなっていしまっている状態です。ここから雨水などが入り雨漏りを引き起こす可能性が非常に高いので、業者に補修の依頼をしましょう。
シーリングの経年劣化は雨漏りを発生させる可能性がありますので、経年劣化が見られた際には素早く補修工事を行うことが大切です。
シーリング材の種類・耐久年数
種類 | 特徴 | 耐久年数 |
---|---|---|
アクリル系 |
取り扱いやすいシーリング材です。 しかし耐久性が最も低いことから外壁塗装のメンテナスの際に使用するのはおススメできません。 価格は最も費用を抑えることができるので新築時に使われることが多くあります。 |
約5年 |
ウレタン系 |
耐久性や密着性・弾力性が高いことから外壁のひび割れや目地の補修によく使われます。 しかし紫外線に弱いという点もあるので、撤去打ち替えを行った後に必ずシーリングの上に塗料を塗ってシーリングの保護を行う必要があります。 |
約5~10年 |
シリコン系 |
ホームセンターなどでも販売されており、費用も比較的安く手に入れることができるシーリング材です。 プライマーと呼ばれる下地用接着材をしなくても密着し、耐久性も優れています。 |
約10年 |
変成シリコン系 |
シリコン樹脂を原料としてつくられたシーリング材です。 外壁との相性がとても良いことから、外壁塗装を行う際に最も使われるシーリング材です。 |
約10年~ |
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シーリング工事の施工方法は大きく分けて3種類あります。
1.増し打ち
読んで字のごとくシーリング材を増していく施工方法です。
既存のシーリング材の上にシーリング材専用の接着材を塗りそのまま新しいシーリング材を上から打っていきます。
プライマー塗布
シーリング打設
仕上げ
完成
そのため窓のサッシ回りや入隅といった外壁が動きにくい部分「ノンワーキングジョイント」に施工されることがほとんどです。
またALC壁の壁のつなぎ目の補修にも採用されます。
→ ALC壁シーリング補修
→ ALC壁シーリング補修
外壁と外壁の間にある縦目地「ワーキングジョイント」と呼ばれる部分には絶対に増し打ちで補修を行うことはしないでください。厚みが付かないということから増し打ちで補修をおこなってもすぐにひび割れなどが起こってしまいます。
またシーリング工事の種類の中で最も費用が安く施工できるので、安さを売りにしている業者の場合ワーキングジョイント・ノンワーキングジョイントに関わらず全ての目地を増し打ちで施工するという提案をされることもあります。価格の安いのはありがたいのですが、長持ちすることはないので、このような業者で施工をする場合は注意が必要です。
2.撤去打ち替え
撤去打ち替えとは、こちらも増し打ち同様書いて字のごとく既存のシーリングを撤去してから新しいシーリング材を打設する施工方法です。サイディングの縦目地や横目地等のジョイント部分「ワーキングジョイント」の施工に適しています。窓のサッシ回りや入隅のような「ノンワーキングジョイント」にもこの方法で施工することは可能ですが、コストの面やサッシ回りは雨漏りのリスクもある為基本的には「ワーキングジョイント」のみに推奨されます。
既存シーリング撤去
接着材塗布
シーリング打設
完成
こちらの施工方法は、多くの業者が塗り替え工事で使用する施工方法です。
3.化粧打ち
最後に新築時でよく施工される、化粧打ちという方法をご紹介致します。化粧打ちは、唯一シーリングの上に塗膜を乗せない施工方法です。塗り替え工事ではあまり施工されない施工方法です。
外壁塗装施工後
シーリング撤去
シーリング打設
完成
化粧打ちの施工方法は基本的には”撤去打ち替え”と同じですが、外壁の塗装の工程が全て終わって、外壁が綺麗になった状態からシーリングの作業を行います。理由は2つあります。1つはクリヤー塗料という透明な塗料で塗装を行う場合に塗料メーカーから化粧打ちで施工することが義務づけられています。2つ目は任意になりますが、シーリングの上に塗装をすることが、あまり良いこととされていないということです。シーリングと塗料では固さが違う為、シーリングの上に塗装をすると塗膜のみ割れる現象が起きます。
しかし化粧打ちならシーリングの上に塗膜が載らないので、塗膜割れの心配もありません。
しかしデメリットもあります。それは外壁の塗装が完成した後にシーリング工事を行う為失敗が許されず、シーリング専門の職人にしか綺麗に仕上げることができません。その為コストが多く掛かることが予想されます。また外壁の色によってはシーリングで色を合わせることが出来ずにシーリングが浮いてしまうこともあります。
その辺りがしっかりクリア出来る業者なら迷わず化粧打ちをお勧めします。
リメイクホームはシーリング工事がとても得意なので化粧打ちで施工したい方は是非お問い合わせ下さい。
シーリング工事の注意
シーリング工事を行う際にはいくつかの注意点がります。
1.天候に注意する
シーリング工事は、雨の日や気温がかなり低い日に行うことはできません。
一般的に気温15~25度・湿度80%未満が理想とされていますが、気温5度以上、湿度80%以下なら問題なく施工出来ると考えていただいて良いと思います。
天候や温度の条件が合わない場合には、日程を見合わせる必要も出てくるかもしれません。温度が低いとシーリングが固まらず垂れてきたり、湿度が高いと気泡が発生したりシーリングが膨れてしまったりするケースがあります。また気温が低い時期にとシーリング工事をする場合は養生期間(乾燥期間のこと)をしっかり取ってシーリングが固まってから工程を進める必要があります。
2.適したシーリング材を選ぶ
シーリング材は数えきれないほどの沢山の種類が存在します。
シーリング材を使う場所によってどのシーリング材を使うか、選定する必要があります。またシーリング材にも使用期限があります。いい加減の業者に依頼してしまうと、使用期限切れのシーリングを施工されてしまうケースもあります。使用期限切れのシーリング材を施工した場合は、本来のシーリングの機能が発揮できませんので、注意が必要です。
改修工事で使用するシーリング材のお勧め条件と商品を紹介させて頂きます。
ウレタンシーリングの場合
ALCパネルの場合はウレタンシーリングがお勧めです。理由はALCのシーリングの施工は増し打ちで上から塗料を塗る前提になるので、塗装の上塗りとの相性が良いウレタン系のシーリング材は価格的にも一番お勧め出来ます。耐久性は増し打ちでも十分な厚みが取れるので10年から15年は問題なく持つと思います。
変成シリコンシーリングの場合
1液変成シリコンに限りますが、日本窯業サイディング協会推奨品とされており、JISの耐久性区分8020に合格していることからサイディングの目地に施工するシーリングでは一番お勧めできます。特にサインライズMSI社の”S70シーリング”は色の数も多く化粧打ちにも適しています。もちろん塗装を上から塗れるノンブリードタイプなので安心です。
ネオウレタン
オート化学工業が製造しているオートンサイディングシーラントやオートンイクシード「耐久性30年相当品」は、JIS耐久性区分9030に合格していることから、価格は高いが一般顧客向けに推奨しやすいシーリング材となっています。近年、外壁塗装専門店ではこちらのシーリングを推奨している会社が多いです。
当社もオートンイクシードがメインのシーリング材となっております。
まとめ
いかがでしたか?
シーリング工事とは、弾力性があるゴム質性の材料を外壁と外壁の隙間や、サッシ(窓やドア)と外壁の隙間に注入する工事のことを言います。
シーリング工事を施工する際にはどの種類のシーリング材を使うのか、どの施工方法で行うのかどのような職人さんが施工するのか選定することが大切です。
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