「シーリングの補修が必要といわれたけど、シーリングが何のためにあるか分からない」
「シーリングが劣化するとどのような悪影響があるのか」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
今回は、シーリングにはどのような役割があるのか、劣化の原因と補修方法と併せてご紹介します。
シーリングにはどのような役割がある？
そもそも、シーリングとは何のことを指すのでしょうか。
シーリングとは、外壁材と外壁材の間やドアのサッシ周辺など、建物のあらゆるところに存在している隙間を埋めるためのものです。
シーリングが持つ役割は、大きく分けて2つです。
1つは、建材がぶつかり合ってしまうことを防ぐためのクッションとしての役割です。
建物には、建材同士が接する箇所が必ず存在します。
例えば、外壁材と窓のサッシなどが挙げられるでしょう。
建材によっては、外の気温や湿度によって膨張や収縮を繰り返し、緩やかに動いています。そのため、硬い素材を、間を空けずに配置すると緩やかな動きに耐えられず、ひび割れや歪みが発生してしまうのです。
シーリング材は、硬い建材同士のぶつかり合いによってひび割れや歪みを起こさせないようにクッションとしての役割を果たしています。
もう1つは、防水性を高めるための役割です。
シーリングは、建物の隙間を埋めるものですが、この隙間を埋めなければ雨水などが侵入しやすくなります。細かな隙間を埋めることで、雨漏りや漏水を防いでいるのです。
建物全体の防水性を高めることは、その住宅に長く住み続けるためにも重要です。
シーリングによって防水性を高め、建物を守るための重要な役割を果たしているのだと言えます。
シーリング材は、使用箇所や目的に合わせて、異なる種類のものが存在しています。
例えば、ガラス周りでよく使用されるのはシリコン系のシーリング材です。
シリコン系のシーリング材は、耐熱性が高い点が魅力としてある一方、上から塗料をのせられないことが欠点です。
そのため、使用に向いている場所と向いていない場所があり、使い分けがなされています。箇所に応じて素材を変えながら、隙間を埋めているのです。
シーリングが劣化することで雨漏りにつながる？原因は何？
シーリングが劣化することは雨漏りに繋がります。
原因として一般的なのは、紫外線や雨風の刺激でしょう。
特に、外壁のシーリングは日が出ている日中に紫外線を浴び続けることになります。それに加えて、季節の変化による温度差や台風や暴風による雨風の刺激を受けることで徐々に劣化してしまうのです。
また、経年劣化だけではなく、地震などの影響によりひび割れを起こしてしまう場合もあります。
シーリングが劣化したまま放置してしまうと、外壁の内側に雨水が入り込みやすくなります。
最初は、屋根や外壁内部で収まるかもしれませんが徐々に雨漏りしていくでしょう。場合によっては、柱のように家を支えている部分に雨水がしみ込んで腐ってしまうこともあります。
シーリングの補修方法は大きく2つ！
＊新しくシーリングを打つ方法
現在のシーリングを撤去し、新しくシーリングを打つ方法のことを打ち替えといいます。
劣化したシーリングをすべて剥がしたうえで、新しいものを充填することで、補修を行います。シーリングを打ち替えると、7年から10年ほど耐用できるようになります。
また、気候条件が整っており、劣化しにくい環境であれば12年から15年ほど耐久するでしょう。完全に新しいものに替える補修方法ですので、隙間をしっかりと埋め直すことができます。そのため、劣化により失われた防水性や柔軟性を取り戻せます。
全体の費用目安は、33万円から45万円程度です。
内訳としては、シーリングにかかる費用、現在のシーリングの撤去費用、足場にかかる費用になります。
＊現在のシーリングの上に重ねてシーリングを打つ方法
現在のシーリングの上に重ねてシーリングを打つ方法を増し打ちといいます。
増し打ちは、打ち替えと比較すると施工にかかる時間や費用を抑えることができます。
費用の目安としては、24万円から37万円程度でしょう。シーリング代が9万円から16万円程度で、足場代が15万円から20万円程かかります。
ただし、増し打ちでは劣化したシーリングの修復は行われず、建物の耐久性を回復させることは難しいです。シーリングの修復が行われないため、内側や裏に隙間があっても気が付きにくくなってしまいます。
また、新しいシーリング材と古いシーリング材がなじむことはないため、増し打ちをした部分も時間の経過とともに剥がれていってしまいます。
このような理由から、基本的には打ち替えでの補修をおすすめします。
まとめ
シーリングには、外壁同士の衝突を避けるクッションや防水性を高める役割があります。
また、シーリングの劣化に伴う雨漏りには注意しましょう。
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