この記事を読んでいるあなたは、
- 外壁材の種類を知りたい
- 外壁材の特徴や見分け方を知りたい
- 外壁材の選び方を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「外壁材の種類や各塗料の特徴、見分け方」などをお伝えしていきます。
外壁材の役割は?
外壁材は、種類によって特徴や性能が異なります。
まずは外壁材の役割を理解することで、自宅に必要な外壁材を確実に選びましょう。
外壁材の役割は、以下の3つです。
それぞれ解説します。
雨風・地震から建物を守る
外壁材には、雨風や地震から建物を守る役割があります。
建物は丈夫な外壁材があることで、雨風や地震に耐えられます。
そのため、降水量が多い地域や、地震の発生件数が多い地域に住んでいる方は、雨風や地震に耐えられる耐久性の強い外壁材がおすすめです。
耐久性の強い外壁材には、金属系サイディングや樹脂系サイディングなどがあります。
熱から建物を守る
外壁材は熱からも建物を守ってくれます。
断熱性の高い外壁材は、太陽の熱を反射してくれるため、室内温度上昇の低減が期待でき、室内での熱中症を防ぎます。
直射日光が当たりやすい立地や、気温差が激しい地域に住んでいる方には、遮熱性の高い外壁材がおすすめです。
断熱性の高い外壁材には、木製サイディングやALCなどがあります。
プライバシーを守る
外壁材には、プライバシーを守る役割もあります。
外からの音が気になる方や、生活音を外に漏らしたくない方には、遮音性に優れた外壁材がおすすめです。
遮音性に優れた外壁材には、窯業系サイディングやコンクリート打ち放しなどがあります。
外壁材の種類は?見分け方・特徴・価格も解説【写真付き】
外壁材には、主に以下の種類があります。
それぞれの特徴や価格相場は、以下のとおりです。
なお、大きさや厚さはメーカーによって異なるため、参考程度にお考えください。
具体的にひとつずつ解説します。
窯業系サイディング
「窯業系サイディング」は、市場シェアの約70%を占める、日本でもっとも使用されている外壁材です。
セメントに木質系の繊維を混ぜて型に流し込んで成型するため、さまざまな形に対応できます。
加えて、塗料で色付け可能なためバリエーションが多く、塗り替えも自由です。
こういった外観面でさまざまなニーズに対応できる点で多くの人から選ばれています。
性能面では、不燃または準不燃材料が使用されているため、防火性にも優れています。
価格は、流通量が多いため、ほかの外壁材と比べ安価です。
メリット・デメリット
メリット :バリエーションが多い。コストパフォーマンスが良い。防火性・遮音性に優れいている。
デメリット:窯業系サイディング自体に防水機能がない。蓄熱性が高い
金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)
「金属系サイディング」は、ステンレスやアルミといった金属板と、断熱効果のある裏打材によって構成された外壁材です。
ステンレスとアルミは高価なため、一般的にはガルバリウム鋼板から作られたものが普及しています。
金属系サイディングには、熱伝導率が極めて小さいガスを閉じ込めた「硬質プラスチックフォーム」という断熱材が使用されているため、断熱性に優れています。
金属で作られているため耐震性も優れており、ひび割れにも強い特徴があります。
加えて、水分を吸収しにくく冷害にも強いため、寒冷地の住宅におすすめです。
メリット・デメリット
メリット :重量が軽く建物への負担が少ない。耐震性・断熱性に優れている。冷害に強い。
デメリット:錆が発生しやすい。へこみや傷がつきやすい
木製サイディング
「木製サイディング」は、天然木を加工した外壁材です。
一番の特徴は、天然木の持つ素材感や自然な温かさです。
お家に温かさを持たせたい、モダンな家を造りたい方が採用しています。
また、無垢材に耐火性を持たせるための加工を施しているため、燃えやすい・虫に食われやすいといったデメリットが克服されています。
加えて、天然木を使用していることから断熱性が高いため、直射日光があたりやすい立地や、気温の高低差が激しい地域にある家などにおすすめです。
メリット・デメリット
メリット :木の持つ素材感や温かさを感じられる、断熱性が高い
デメリット:吸水性が高く汚れやすいため、こまめなメンテナンスが必要
樹脂系サイディング
「樹脂系サイディング」は、ポリマー樹脂で作られた外壁材です。
主原料が樹脂で非常に軽量なため建物への負担が少なく、耐震性に優れています。
また、塗装やシーリング材の補修が必要ないため、ほかの外壁材と比べてメンテナンスの手間がかかりません。
耐用年数も約30年と長寿命です。
さらに、耐水性に優れていて冷害が起こりにくい特徴もあります。
高性能な樹脂系サイディングですが、取り扱っている業者が少なく、デザインが少ないことから、日本では広く普及していない外壁材です。
メリット・デメリット
メリット :軽量・超候耐侯性(30年)・耐震性・防水性に優れている。樹脂ならではの色調を楽しめる。
デメリット:防火性・遮音性・断熱性に劣る。※メンテナンスは張り替えになる。
ALC
「ALC」は、珪石・セメント・石灰などから作られる「軽量気泡コンクリート」の外壁材です。
コンクリートに発泡剤を混ぜて作られているため非常に軽量で、高い断熱性能が備わっています。
また、ALCの内部は鉄筋などで補強されていて頑丈なため、耐震性や遮音性にも優れています。
軽量で作業性が良い特徴も相まって、一般住宅だけでなく、公共施設や文化財保存施設といったさまざまな建物に採用されている外壁材です。
メリット・デメリット
メリット :耐久性・耐火性・耐震性・断熱性に優れている。
デメリット:防水性が無い。吸水性が高い。
モルタル
「モルタル」は、セメントと砂に水を加えて作られた外壁材です。
日本では窯業系サイディングに次いで2番目に多く採用されています。
モルタルは塗り壁材なので、波模様やタイルを貼り付けるなど、自由度が高く好みのデザインに仕上げられます。
シーリングの劣化を気にする必要もありません。
1980年代までは主流の外壁材でしたが、現在は施工に時間がかかることから、窯業系サイディングの方が採用されるようになりました。
メリット・デメリット
メリット :デザイン性・耐久性に優れている。シーリング劣化の心配がない。
デメリット:防水機能がない。ひび割れが起こりやすい。汚れが目立ちやすい。
タイル
「タイル」は、粘土や無機質の原料を成形し、高温で焼き固めて作られた外壁材です。
タイルは無機質材からできているため、サイディング外壁と比べて耐久性・耐候性に優れています。
また、強度があるため傷がつきにくく、色あせの心配の心配もないため、景観を保ちやすい特徴があります。
加えて、高級感や重厚感を味わえることから、デザイン性の高い住宅に仕上げたい方におすすめです。
メリット・デメリット
メリット :耐久性、耐候性に優れている、高級感や重厚感を味わえる
デメリット:初期費用が高い、重いため施工が悪いと剥離する危険がある
外壁材の選び方
外壁材の選び方は、以下のとおりです。
それぞれの観点でおすすめの外壁材とその理由を解説します。
価格で選ぶ【窯業系サイディングがおすすめ】
価格を優先させたい方には、窯業系サイディングがおすすめです。
窯業系サイディングは、日本でもっとも採用されている外壁材で流通量が多いため、ほかの外壁材と比べて安価です。
耐用年数も30年近いため、短期間での再施工が不要でトータルコストも抑えられます。
デザイン性で選ぶ【モルタルがおすすめ】
デザイン性を優先させたい方には、モルタルがおすすめです。
モルタルは塗り壁材で左官職人が手作業で工事を行うため、自由度の高いデザインが可能です。
自分で壁のデザインを考えたい、周りのとは違うデザインにしたい方におすすめします。
断熱性で選ぶ【金属サイディングがおすすめ】
断熱性を優先させたい方には、金属サイディングがおすすめです。
金属系サイディングには、「硬質プラスチックフォーム」という熱伝導率が極めて小さい断熱材が使用されているため、ほかの外壁材と比べて特に耐熱性に優れています。
また、金属で構成されているため耐久性が強く、冷害にも耐えられる外壁材です。
寒冷地に住んでいる方におすすめです。
耐火性で選ぶ【ALCがおすすめ】
耐火性を優先させたい方には、ALCがおすすめです。
ALCは、国土交通大臣認定の耐火構造部材で、その耐火性能の高さから、公共施設や文化財保存施設といった建物に採用されています。
阪神・淡路大震災でもALCが防火壁の役割を果たしました。
万が一の時に備えて耐火性に優れた外壁材を採用したい方におすすめします。
耐震性で選ぶ【樹脂サイディングがおすすめ】
耐震性を優先させたい方には、樹脂サイディングがおすすめです。
樹脂サイディングは、主原料が樹脂で非常に軽量なため、建物への負担が少なく、ほかの外壁材と比べて耐震性に優れています。
地震の際にも災害被害の減少が期待できます。
地震が多い日本では、外壁材に耐震性を求める方が多く、樹脂サイティングは特に地震の多い地域で採用が多い外壁材です。
耐久性で選ぶ【タイルがおすすめ】
耐久性を優先させたい方には、タイルがおすすめです。
タイルは無機質材からできているため、サイディング外壁と比べて耐久性に優れています。
その耐久性・強度の高さから、傷もつきにくく、定期的なメンテナンスを行わなくても長持ちします。
防水性・耐候性にも優れた外壁材です。
温かみで選ぶ【木製サイディングがおすすめ】
温かみを優先させたい方は、木製サイディングがおすすめです。
天然木から作られているため、ほかの外壁材にはない唯一の素材感や自然な温かさを感じられます。
モダンな家にしたい、温かみのある住環境を整えたい方から人気の外壁材です。
外壁材の種類の見分け方は?自宅の壁材を見分けたい方へ
外壁材の種類は、以下の方法で見分けられます。
具体的な方法を解説します。
目地の有無を確認する
外壁材は、目地シーリングの有無で識別が可能です。
目地とは、外壁材と外壁材のつなぎ目を指します。
外壁材のすき間を埋めることで雨水の侵入を防ぎ、地震が発生したときには緩衝材の役割を果たします。
具体的な識別方法は、以下のとおりです。
素材同士を重ね合わせる「オープンジョイント工法」で施工する外壁材や、モルタルのように塗り壁材の外壁材には目地がありません。
目地の方向と位置を確認する
目地の方向や位置でも識別が可能です。
例えば窯業系サイディングの場合、縦の長さが約3mのため、地上から約3mの高さに水平方向で目地があります。
ただ例外として、目地を景観を守るために幕板で隠している家も多いため、その場合は、3mの高さに幕板が張られています。
ALCも同様の考えで確認可能です。
横幅を計測する
外壁材は種類によって横幅の規格がある程度定められているため、横幅を計測することで、種類の特定が可能です。
各種類の外壁材の横幅は、以下のとおりです。
例えば窯業系サイディングの場合、横幅は455mmのものがほとんどです。
メジャーで計測してみて横幅が455mmであり、目地があれば、窯業系サイディングの可能性が高いでしょう。
また、外壁材メーカーによって大きさは異なるため、参考程度にお考えください。
厚みを計測する
横幅と同様に、外壁材は種類によって厚みが決まっているため、厚みを計測することで、種類を特定できます。
外壁材の各種類の厚みは、以下のとおりです。
横幅と同様に、メーカーによって厚みは異なるため、おおよその厚みとして参考にしてください。
とはいえ「自分で確認するのは手間」、「自信がない」という方も多いでしょう。
最近は別の種類でもデザインが似ている外壁材が増えてきました。
そんな時は、プロに見てもらうのがおすすめです。
叩いた感覚・音で確認する
外壁材を叩いた感覚や音でも判別可能です。
たとえば、窯業系サイディングやモルタルは、いずれも素材にセメントが用いられており、一方で金属系サイディングは鋼板です。
そのため、叩いた感覚や音が違います。
とはいえ、馴染みのない方の場合は、判別が難しいこともあるでしょう。
施工業者に確認すれば確実に判別できるので、外壁材の種類を判別したい方は、施工業者への依頼がおすすめです。
外壁材のお悩みはリメイクホームにおまかせ!
外壁材の種類や特徴、見分け方、選び方まで解説しました。
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