カラーベストやコロニアルと呼ばれるスレート瓦に施工されるリフォームの１つとして屋根の重ね葺き（カバー工法）があります。
最近はどこの業者でも重ね葺き工事ができるようになり、営業マンからもよく重ね葺き工事を勧められることがあります。
そこで今回は、屋根の重ね葺き工事のメリットやデメリット・耐久性などについてお話していきたいと思います。
屋根のリフォームは主に２種類
屋根のリフォームには葺き替え工事と重ね葺き工事（カバー工法）の２種類があります。
１．屋根の葺き替え工事
屋根の葺き替え工事は、既存の屋根材を一度下ろしてから新しい屋根材を葺き直す施工方法です。
全ての屋根材に行うことができるリフォーム方法ですが、既存の屋根材を撤去する費用と撤去した屋根材の処分費用が発生するので大掛かりな工事でお金も掛かってしまいます。
瓦を使用しているお宅で屋根のリフォームを行う場合は、葺き替え工事が必要になります。
２．屋根の重ね葺き工事（カバー工法）
屋根の重ね葺き工事は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねて造り上げていく施工方法です。
別名、屋根のカバー工法とも呼ばれます。
屋根の葺き替え工事と比べると既存の屋根材の撤去費用やその撤去した屋根材の処分費用が必要ないことから費用を抑えられ、手が出しやすいリフォーム方法です。
しかし重ね葺き工事は瓦を使用している屋根には施工することができず、限られた屋根の上にしか重ねることができません。
屋根の重ね葺き工事のメリット・デメリット
屋根の重ね葺き工事のメリットとデメリットをそれぞれ見てみましょう。
メリット
１．屋根の葺き替え工事と比べると費用が抑えられる
屋根のリフォームを行う上で重ね葺き工事は葺き替え工事に比べて費用を抑えることができます。
冒頭でもお話しましたが、葺き替え工事は既存の屋根材を全て撤去し新しい屋根材を葺くのに対して重ね葺きは既存の屋根材を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねて葺いていきます。葺き替え工事は既存の屋根材の撤去や撤去した屋根材を処分するのにお金がかかりますが、重ね葺き工事はそもそも廃材処分などが必要のない工事になるのでその分費用を抑えてリフォームすることができます。
２．工事期間が短い
既存の屋根材の撤去をする手間がありませんので足場組から始まり、重ね葺きを完成させ足場を撤去するまでで約１週間程度で行われます。
３．断熱効果が期待される
重ね葺き工事に使われる屋根材は、商品によって断熱材が入っています。
２階の部屋が真夏の暑さでモヤッとするお宅は、断熱材入りの屋根材を選ぶことで断熱効果が期待できます。
デメリット
１．屋根の種類によって重ね葺き工事ができない
屋根の重ね葺き工事は、日本瓦や洋瓦などの屋根材が葺いてある建物には施工することができません。
カラーベストやコロニアルといったスレート状の屋根材が施工されている建物の屋根のリフォームでは重ね葺きが施工出来ます。
２．屋根が重たくなる
重ね葺き工事は既存の屋根の上に新しい屋根材を施工していきます。素材としては薄くてとても軽い金属性の屋根を重ねて施工していきます。しかし軽量な素材とはいえ葺き替えに比べると重量の加算が行われる分だけ重さが加わってしまいます。
３．屋根の状態によっては重ね葺き工事自体できない
既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねて施工するので、下地となる既存の屋根の劣化が激しい場合はビスや釘などを打つことができず、重ね葺き工事自体施工することができません。
屋根の重ね葺き工事の耐用年数と今後のメンテナスについて
屋根の重ね葺き工事に使用する商品にもよりますが、多くの商品が２０～３０年程の耐久性を持っており塗膜保証１５年・穴あき保証２５年といった充実した保証内容がほとんどです。
また屋根の重ね葺き工事のリフォームを行った後には全くメンテナスを行わなくてもいいと間違った認識をされる方がいます。
重ね葺き工事を施工することで新しい屋根に生まれ変わり、金属性の屋根材を使用することから気持ち的にメンテナンスフリーなのかと思いがちです。しかし通常通りメンテナスは必要です。ただ重ね葺き工事に使用される多くの屋根材は金属性のものになりますのでカラーベストやコロニアル屋根のメンテナンスとして行われていた１０年に１度の頻度での塗り替え工事は必要なく、初回のメンテナスは２０～２５年程で１度塗装工事を行えば良いでしょう。
万が一、屋根の重ね葺き工事を行った後に塗装でのメンテナスをされる方は、その際に使用した塗料の耐久年数に合わせて再メンテナスを行うとより安心です。
屋根の重ね葺き工事を検討する上での注意点
屋根の重ね葺き工事を検討する上で最も大切なのは業者選びです。
今回のテーマである屋根の重ね葺き工事についてだけではなく、もちろん全てにおいて業者選びは重要になります。
しかし良かれと思い工事を依頼した先が悪徳業者だった！というケースも少なくはありません。
重ね葺き工事の経験が少ない業者や見積り金額があまりにも安すぎるといったケースは何かしらの不具合が発生してしまう可能がありますので注意が必要になります。
まとめ
屋根の重ね葺き工事は、カラーベストやコロニアルなどのスレート瓦と呼ばれる屋根材でよく行われるリフォーム方法の１つです。
別名、屋根カバー工法といいます。
ご紹介した通り屋根の重ね葺き工事にはメリットだけではなくデメリットも存在します。
メリット・デメリットを理解した上で屋根の重ね葺き工事を依頼してみてくださいね。
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